JX通信社 Engineering Manager の @jazzsasori です。
皆さん自身の成長にコミットしてますか?
マネージャーの皆さんメンバーの成長にコミットしてますか?
私はゼルダ無双の体験版をダウンロードしてしまったために成長にコミットできなさそうです。
あと買ってしまいそうです。
弊社もリモート中心のメンバーが増えました
こんなご時世なので弊社も多くのメンバーの勤務がリモート中心となって久しいです。
弊社はSlack, Zoom, Discord を活用、リモートに関する制度の充実などにより比較的コミュニケーションはうまくいっているように思います。
が、ご多分に漏れず多少のコミュニケーションに関する問題も起こっているのも事実です。
最近メンバーとエモい話してますか?
私は昭和の人間なので飲みニケーションが好きです。
私は生中を飲みながら「やったろうぜー!」なんて言いながらウェイするのが好きです。
翌日多少の二日酔いを抱えながら昨日の (半分覚えていない) 熱い話を思い出しながら仕事をがんばるのが好きです。
以前ならなんとなくの日常のコミュニケーションを通じて放っておいても伝わってきたメンバーの希望や今後やりたいことなどがなかなかカジュアルに知れなくなってきています。
私が1on1を担当している方々にGROWモデルを提案しました
そういった差分を埋めるためにどうしたらよいか。
自分の答えはGROWモデルを通したコーチングでした。
私はGROWモデルで皆様をブチ上げたい
というタイトルで社内のwikiツール (kibela) に投稿し、詳細を説明。
あくまで各自の判断にゆだね、やるやらを決めました。
結果一旦は自分の1on1 担当している方全員やっていただけることになりました。
GROW モデルとは
はじめのコーチング を書かれた John Whitmore さんなど (Graham Alexander、Alan Fine) が考えられたコーチングモデルです。
Google さんも re:Workで採用 されています。
Google さんのre:Work に沿って説明すると大きく4つのテーマに分かれており、それぞれで以下のようなことを質問し、チームメンバーとマネージャーが話し合います。
Goal: 目標の明確化
- 「1 年後、5 年後、10 年後の自分はどうなっていると思いますか?」
- 「収入や現在のスキルの制約がないとしたら、どのような仕事に就きたいと思いますか?」
- 「興味、価値を置くもの、原動力となっているものは何ですか?」
Reality, Resource: 現状の把握 (Google さんの re:Work では Reality のみ)
- 「現在の業務で最もやりがいを感じること、あるいは、ストレスを感じることは何ですか?」
- 「現在の業務はやりがいがありますか?能力を伸ばせていますか?どうしたらさらにやりがいを感じられますか?やりがいのない業務は何ですか?」
- 「自分の長所と短所について、他の人からどんな指摘を受けたことがありますか?」
Option: 選択肢の検討
- 「以前話し合った目標達成のためのスキルを磨くのに、今できることは何ですか?」
- 「自分を伸ばすために、どのような仕事やプロジェクトに挑戦したいですか?また、どのような経験をしたいですか?」
- 「選択肢として、どのようなネットワークやメンターシップがありますか?」
Will: 意思の決定
- 「何を、いつまでに行いますか?」
- 「役に立つリソースは何ですか?目標達成のために役立つスキルは何ですか?」
- 「どのような支援が必要ですか?自身のキャリア形成について、マネージャーやリーダーからどのようなサポートを受けたいと考えますか?」
私のGROWモデルを使った具体的なコーチングスタイル
Google さんが公開しているワークシート をコピーして面談に活用することが多いです。
とても良いフォーマットなので全力で乗っかりつつ、自分は相手に合わせて質問を変えたりしています。
「1 年後、5 年後、10 年後の自分はどうなっていると思いますか?」
という質問例がありますが、実際に話を進めていると "5年後" "10年後" は意外と想像しにくいものです。
そこで比較的想像しやすい1年後を聞いたあとに「その1年での成長をベースに2年後3年後はどうなっていたいですか?」と聞くとさらに深い話ができたりします。
逆に1年未満の期間での Goal を聞いてみたりしています。
一番重視していることは傾聴することです。
いいおじさんなので 武勇伝臭いことを語り始めないようにしてます。
コロナ禍でなかなかカジュアルに飲みにもいけませんので、GROW を通したコーチングをよいきっかけとしてメンバーの目指す場所を注意深く聞いています。
酩酊した状態で聞くよりはメンバーの意思を細かく受け取れている気がします。 (いや飲んでてもちゃんと聞いてますよ)
GROWをやってみて
結果として短期間で目に見えた成長を感じることが出来ました。
メンバーの意識が変わった
- 今まで手を伸ばしていなかった領域を学ぶ時間を確保する
- frontend が中心だったメンバーが backend のタスクを積極的をこなす (逆も)
対話を通してメンバーの役割を変更
- スクラムマスターを目指すメンバーの役割を明確に変えた
- 結果、スクラムマスターとしての役割を積極的にこなしていただけるようになった
良い反響があったり、正直うまくいかなかったり
自分が普段担当していない方にもGROW のために1on1お願いしてもらったりしました。
反面実際やってみてその方には合わないケースもありました。
そういった場合は別の方法で1on1を進めたりしています。
もちろん組織や人によって合わないケースもあると思います。
あくまで大事なのはメンバーとの対話なので柔軟に対応しましょう。
終わりに
私はGROW モデル試してみてとても良かったです。
1on1 においてより深い対話ができていると思います。
あくまで GROW も1つのフレームワークです。方法は組織ごとに色々あってよいと思います。
重要なことなのでもう一度、対話を大事にしましょう。