こんにちは、サーバーサイドエンジニアの @kimihiro_n です。
新型コロナの影響で、オフィスに出社して働くというスタイルに大きな変化が生じてきています。 弊社でも原則リモートでの勤務が推奨となっており、従来通りのコミュニケーションを続けることが困難になってます。 今回はコミュニケーションを活性化するために、チームでどのような工夫をしているかを紹介したいと思います。
リモートワークだとなにができないか
最初にリモートワークへ移行して感じた課題を挙げてみます。
気軽な話しかけができない
一番違いを感じるのはこの点でした。 仕様の相談だったり、困ったときにちょっと質問するみたいなことは、物理でオフィスに集まっているときは気軽に出来ていました。相談しやすいようにチームごとに座席が近くなるよう席替えしたりして、できるだけコミュニケーションの障壁となるものを廃していました。
しかし、リモートワークでお互いが別々の場所にいるとなると、話しかけるという行動が難しくなります。ボイスチャットをするために話し相手と通話部屋を都度用意し、お互い通話可能なタイミングを調整するというのは結構コストのかかる行為です。 忙しくなさそうなタイミングを見計らって隣の人に声をかけるのと比べるとどうしてもためらいがちになります。
空気感が伝わらない
音声でのコミュニケーションのハードルが上がった結果、Slack などの文字ベースでのコミュニケーションが主流になってきます。文字として記録が残るのでメリットもあるのですが、話し手の意図が伝わりづらいというデメリットもあります。 対面レビューと比べて指摘の語気が強くとられてしまったり、やってもらったことに対しての感謝が伝えづらかったりします。
また 音声 VS 文字 だけでなく、実際の会話 VS 通話越し であっても空気感の伝わりづらさというのは感じています。 物理的に空間を共有して会話するというのはやはり強いですね。 みんなでOKR決めようとかブレストしようみたいな場合、やはりビデオ通話より会議室に集まってやった方が楽しいです。
顔を見ないとメンバーの調子が分からないという面もありますね。 出社していた頃は多少冗長でも朝会で集まって各自タスク共有をしてたりしました。
ランチ行けない
チームの人を誘ってランチ行くことが多かったのですが、リモートだとこれが出来なくなりました。 業務に関係ないゲームの話とかをするのは昼休みの時間がうってつけだったのですが、リモート化が進むにつれこういった話がしにくくなりました。
シャッフルランチというランダムなメンバーでご飯いくという制度もあったのですが、こちらもコロナの影響で実施できていない状況です。
あと単純に神保町のおいしいランチが食べられないのは期待損失が大きいです。
そのほか
- 同時に複数人が話すと聞き取れない
- 通話環境に左右されやすい
- MTG がスムーズに開始できない
- 打ち上げができない
- 業務後ゲーム(ボードゲーム、スマブラ)ができない
などなどリモートならではの問題が生じてきています。
チームで取り組んでること
上記の問題すべてを解決することは出来ないですが、少しでもコミュニケーションを円滑にするためチームで取り組んでることを紹介していきます。
朝会
出社時にやっていた朝会はリモートでも毎日継続してやるようにしました。 最初は音声のみでやっていたのですが、新しいメンバーが入ってきて「顔見ながらやりたい」という意見があったため、朝会はカメラありで実施するようにしています。やはりメンバーの顔色が分かった方が安心感がありますね。
ツールとしては Zoom をつかってビデオ通話しています。Zoom の場合バーチャル背景の機能が組み込まれているため、周囲の状況を気にせずビデオ通話ができます。ビデオ通話するのに部屋を片付けたり洗濯物をどけたりする必要がなくて便利です。
朝会の内容としては当日やるタスクの確認と、相談・周知したいことの共有をしています。
常時通話
気軽に話しかけるのが難しいことの対策として、常時通話状態にしておくというのをやってみました。 都度音声通話に来てもらうのではなくて、話せばチームにすぐ声をかけられる仕組みですね。 ツールとしては Discord というツールを使ってます。
Zoom とちがって気軽に音声通話の部屋を移動できるので、相談したいからこっちの部屋で、とか集中モード( or 休憩中)だから話しかけないでみたいなことがサッとできます。画面共有もできるので後述するペアプロとかも Discord をつかってやっています。 通話のハードルが下がったことで気軽な相談がしやすくなったように思います。1対1のつもりで話す内容でもグループ通話で聞いてる人が増えることで思わぬ助け舟が降ってくることもあります。 ただ他のチームから何をやっているかが見えづらいという意見ももらったので、文字に残すべきもの(仕様や決定事項)はちゃんと文字に残こすよう注意すべきだなと思いました。
ペアプロ・モブプロ
ちょうど1年前くらいからチームでペアプロ、モブプロを導入し始めました。 PCを操作してコードを書く人(ドライバー)と、画面をみて指示を出す人(ナビゲーター)に分かれて一緒にコーディングを進めていく手法です。 個別に実装を行ってあとからレビューする形式と比べて出戻りが少なく、メンバーの知見を共有しつつ開発を進められるので大きな機能を実装するときによく活用しています。
出社してモブプロするときは、1台のモニタ使ってみんなで見ながらナビゲートする形で進めていました。 今にして思うとなかなか密な作業環境ですね。 リモートになってからは、Discord の画面共有機能を主につかってモブプロを実施しています。メンバーが Discord で待機していることもあり、モブプロで進めようとなったときはスムーズに開始することができます。 ただやはりオフラインでやっていた頃と比べると、ワイワイと実装を進めている感覚が乏しくなったように思います。3人以上のモブプロだと、モニタ越しにドライバーが実装していくのを見守るだけということになりやすく、複数人が参加するシナジーが得られにくいです。そのため最近はペアで作業することが多くなってます。
ティータイム
最近導入してよかったのがこのティータイム制度です。 リモート下で「雑談が少ない」という振り返りから、意図的に雑談する時間を業務内に用意することにしてみました。
毎日16:00から15分間、Discord に集まって雑談するというだけなのですが、これが結構チームの健全性に貢献しているように思います。ランチや飲み会といった業務外の話ができる場がなくなってしまったので、こういったブレイクタイムを意図的にもたせることは大事だなと感じました。特にインターンで来てくれている方ともお話できるのが大きいですね。やってもらっているタスクによってはメンターとメンティの1対1のやりとりで完結してしまうことがあるのですが、こういった雑談タイムに参加してもらうことで、お互いを知る機会を作れています。
ちなみに最初は「おやつタイム」という名称だったのですが、16時に間食すると夕飯に支障がでるという理由からティータイムへと変更になりました。
物理出社
リモートが続いてしんどくなってきたときの最終手段です。 リモート推奨下でもオフィスは空いているので、一人での作業が堪えてきたら出社することもできます。 自分のチームでもだいたい週0.5〜1くらいの頻度でバラバラと出社している印象があります。 出社するとチーム外の人とも会話できるのでいい気分転換になります。 やはり人と実際に話せる場というのは大切なのかもしれませんね。
KPT
KPT という振り返りのミーティングを毎週実施しています。 Keep(継続すべきよかったこと)とProblem(課題に感じていること)を共有して、Try(改善策)を続けていくやりかたですが、こちらもリモート前から継続してやっています。 形式としてはおのおの事前に GoogleDoc へKとPを書いておき、MTGの際に「前回のTはどうだったか」「K、Pの共有」「今回のTの決定」を話しています。
「朝会でカメラオンにしよう」「ティータイムつくろう」みたいな試みはこのKPTの中で生まれました。 継続的な振り返りを通して試行錯誤を続けていたことで、フルリモートへの移行のような大きな変化でも柔軟に適応できたように思います。
おわりに
以上がチームでやっているリモートのコミュニケーション施策でした。 これからもより良いリモート開発体制を求めて試行錯誤していきたいと思ってます。