リリースを気軽に祝う文化を作るために 〜喋るSlack botを作った話〜

VPoEの小笠原(@yamitzky)です。今回は、僕が勝手にやっている「プログラミングで社内を活性化させる仕組み」について紹介します。

その取り組みの一つが、JX通信社の“しゃべる” Slackbot の「speakerbot」です。こちらは、エンジニア Hub の記事でも少し紹介いただいています。

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speakerbot の機能は、Slack で送った文章を、社内のスピーカーで自動で読み上げるだけのものですが、NewsDigest が速報ニュースを検知したときに読み上げたり、アプリリリースなどの「良いこと」があったときに皆で祝ったりと、いろいろと活用されています。

お祝いのとき↓ f:id:yamitzky:20180927224133p:plain

速報ニュースを検知したとき↓ f:id:yamitzky:20180927224116p:plain

speakerbotの仕組み

speakerbotは、 Python 製の Slack bot で、スピーカーにつながった社内の Raspberry Pi 上で動かしています。Amazon Polly という音声読み上げサービスを使っています。

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なぜspeakerbotを作ったのか

アプリの大型リリースなどを月例会や打ち上げで祝うこともあるのですが、もっと日常的な「良いこと」が、チームを横断して気軽に祝えれば良いなと思っていました。例えば、ちょっとした改善がうまくいったとか、新しく契約ができたとかです。

とはいえ、全員の前で言葉で発表するのはちょっと勇気がいる人もいるので、 Slack bot に代わりに発表させればうまくいくのではないか?と思って作りました。

speakerbotと報道テクノロジーの関係

speakerbotの「重大ニュースを読み上げる」という機能の源流は、報道機関の現場にあります。共同通信の加盟社の報道フロアでは、 速報ニュースがあると社内放送で読み上げられる仕組み になっており、通称「ピーコ」と呼ばれています(「ピーピポピポピポ」という音がなるため;参考)。

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speakerbotの場合は機械音声による読み上げですが、まさに「報道×テクノロジー」が生んだbotなのです・・・!

speakerbotの工夫したポイント

speakerbot で気軽に祝うために、いくつか工夫していることを紹介します。

あえて #general で見えるように書き込む

speakerbot に読み上げさせる際には、#general上でメンションを飛ばす形の運用にしています。

ヘッドホンをつけている働いている人もいて、音声だけだと聞き逃してしまう可能性があるので、あえて文字として残るようにしています。

リアクションを自動で残す

一番最初(左)のリアクションは、ランダムに bot が勝手につけます。そうすることで、コメントを書かなくてもリアクションしやすい環境を作っています。

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読み上げスピードを遅くする

Amazon Polly には、音声の読み上げスピードを調整する機能があります。

読み上げスピードが早いと、気づいたときには聞き逃してしまったりするので、かなりゆっくりめで喋らせるなどの細かい工夫もしています。

speakerbot が製品にも役立った

「自動音声で重大ニュースを読み上げる」という仕組みは、AI緊急情報サービス「FASTALERT」にも組み込みました。

プロジェクトには関係なく作ったものが、結果的に製品に組み込まれて、プレスリリースにつながり、サービス利用者からのフィードバックにも繋がったので、とても良い体験でした。

おわりに

まだ speakerbot を使ってないメンバーも居たりするので、積極的に利用を促していくのは今後の課題です。引き続き、プログラミングで社内を活性化していきたいと思います。

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